私は、第38期卒業生の皆様を中学1年から高校3年まで、第45期卒業生の皆様を中学1年から高校3年まで、第49期卒業生の皆様を中学3年から高校3年まで、第55期卒業生の皆様を中学1年から高校3年まで、第57期卒業生の皆様を高校2年から高校3年まで担任させて頂きました。そして現在は、第63期生の担任を中学1年、中学2年と務めております。大学卒業後すぐに追手門学院大手前中・高等学校に奉職しましたので、今年で29年目を迎えることになりますが、卒業生の皆様とともに過ごした一日々々の学院生活が、私の経験値を高めてきたことは、紛れることのない事実です。そして今、私はこの経験値を頼りに、現役追中生・追高生を指導し、後輩教員達にアドバイスを与えているのです。私が今日あるのも、少なからず卒業生の皆様のおかげであると、心より感謝致しております。この場を借りて、衷心より厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
さて、追手門学院創立120周年を契機として、教育理念が「独立自彊・社会有為~自由と調和の人間教育を目指して~」と整えられました。理念の実現に向けて、教職員一同、日々の教育活動に一生懸命取り組んでおります。具体的には、例えば現在私が直接指導している中学2年生(63期生)においては、「独立自彊」を実現するために、「中学時代に身につける学力・体力・情操は人生の宝物~感謝して~」を学年目標として掲げています。そして、「学力・体力・情操」を磨いてどんどん自分を強くしていこうと、常々こども達に声をかけています。また、追手門学院大手前中・高等学校は自分自身に磨きをかける教育機会(チャンス)にあふれた学校ですが、与えられるチャンスを当たり前のものとして受け入れるのではなく、常に感謝の心をもってそのチャンスに向き合いましょうと、繰り返し声かけをしています。今後63期生は、中3から高校生へと進級・進学していくことになりますが、「社会有為」を実現するための指導にも徐々に取り組んで参りたいと考えております。現在の中2時点での指導としては、まず「今、クラスのために、学年のために、クラブのために、学校のために、自分には何ができるのか」という一人ひとりの「気づき」を大切にさせています。そして、「歌唱大会」や「郡読発表会」や「組立て体操」などの集団活動において、ひとりでは到底できない大きなことを、皆で力を合わせることによって見事に実現し、「相乗効果」の素晴らしさを体感させています。これらの成功体験の積み重ねが、いつしか「社会有為」のたくましい心に育っていくことを願ってやみません。彼ら63期生の今後の成長が、益々楽しみになってきました。追手門のこども達は実に愛おしい!
Stephen R. Covey 氏の書物 「The 7 Habits of Highly Effective People」の中に、「Private Victory としてのIndependence」 と、「Public Victory としての Interdependence」 に関する示唆に富んだ記述があります。すべての追手門のこども達が、味わいのある豊かな人生を歩むことができる様に、一人ひとりの「独立自彊(Private Victory)」と「社会有為(Public Victory)」の実現に向けて、今後とも力を尽くして参りたいと存じます。
追手門学院大手前中・高等学校 数学科 西浦 誠