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withコロナ~闘う卒業生~ vol.018

和田 晶三(茨高34期)

私は豊中市で歯科医院を開業しております。
COVID-19発生当初は危険視もされた歯科医院ですが、大阪府知事がTwitterで「歯科医院でクラスター発生がゼロ。何かある。」とつぶやいたことが話題になりました。
私が歯科医師になった頃は素手で診療する先生も多く、グローブをして治療すると「俺の口が汚いから手袋を使うのか?」と怒る患者さんがいたり、「素手で治療しないと微妙な手指感覚がわからないぞ」と先輩からいわれることもある時代でした。それから25年以上経ちますが、Aids(HIV)やB型・C型肝炎、SARSなどが社会問題になるたびにマスコミなどから歯科治療の安全性が問われてきた事もあり、歯科医院ではスタンダードプリコーション(標準予防策=全ての患者さんが感染源の可能性があるとみなした感染予防対策)が徹底されています。歯科医師は新型コロナ禍になる前から、他の職種以上に常にマスクやグローブを使用し、高度な消毒・滅菌を日常的に行ってきました。
2020年4月に激減した患者数も、その後歯科医院の安全性や口腔ケアによる免疫力向上の重要性が理解され全国的に回復しています。今では感染に人一倍気をつけている患者さんほど「外出するのは、食料品の買い物と歯科の定期健診ぐらいョ」と通ってきてくださいます。
むしろ、今後心配なのは公衆衛生です。市歯科医師会では毎年、市民健康展やよい歯の集い・8020表彰などの市民啓発活動、市内の小学校への巡回ハミガキ指導を行っていますが、昨年に続き今年度も中止の予定です。巣ごもり生活で虫歯が増えた子供もおり、お口の健康意識の低下が危惧されています。

まだまだ気を緩める訳にはいきませんが、悪いことばかりではなく、歯科医院が困難を乗り越え改善してきたように、新型コロナ対策で未知の感染症にも強い社会に進化することを願っています。

(わだ歯科医院 院長)