コラム , 恩師のいま , 茨木中・高等学校

恩師のいま 〜 柴田幸典先生(茨木中高)

私が追手門学院中・高等学校に勤務してからもう19年目になります。私が初めて担任を持たせていただいたのは52期高校2年生、当時24歳、びくびくしながら初朝礼に赴き、日々を必死に過ごしていたのを今でも覚えています。その生徒たちももう35・6歳になる計算、私は43歳になり、2人の息子のパパになりました。「光陰矢の如し」とはまさにこのことと、今この原稿を書いて実感しています。この19年、それぞれの日にはいろいろなことがあり、1日、1ヶ月がとても長く感じるときもありました。しかし、今、19年前がまるでつい最近のことように感じています。ただ、気持ちはそんな感じですが、体はといいますと着実に年齢を重ね、傷んできている今日この頃です。写真を見返すと細かった自分が、今や・・・という感じです。

さて、現在ですが、今はまた高校2年生の担任を持たせてもらっています。今は10月、進路指導が本格化してくる時期です。(懐かしいでしょ!!)授業では高3、中1、高2を担当しています。今、学校は様々な面で変革の時期を迎えています。授業でいえば、パソコンを使った授業は当たり前、googleを駆使(使い切れてはいませんが)して授業を展開、さらには一斉授業からの脱却、数年前とはえらい違いです。もちろん学級における指導も社会の変化に伴い大きく変わっていっています。ここ数年の変化のスピードはものすごいです。その波に乗るため日々情報を集め、考え、生徒たちと対話をしています。変化を享受できるよう日々取り組んでいます。ただ、その変化を享受する一方で、最近「自分の軸としてあるものは何か」という自分の考えの根底にあるものを探るようになりました。例えば「自分が教師になった大元は何だろう」とか「自分は理科の何を感じてほしい」とか、「自分の幸せの形ってなんだろう」とかです。変化の激しい時代では、それに慣れるために精一杯で視界が狭くなりがちです。それでは荒波に中の小舟のようにあっちこっちに翻弄されてしまうのではないでしょうか。こんな時代だからこそ自分の軸というものをしっかりもっていかなければならないのではないかと強く思っています。それをしっかり生徒に伝えていきたいと考えている今日この頃です。

真面目な話になってしまいましたが、近況はこんな感じで、毎日をくたくたになりながら必死に生きています。でも生徒たちの日々の成長も見守れるこの職業はとても刺激的で、充実しています。この先もしっかりと頑張っていきたいと思います。そして卒業生の皆さん、成長された皆さんに会えることは教員としてとても幸せを感じる瞬間でもあります。卒業生の皆さん、お時間がございましたら是非学校に顔を出してください。(そのとき、「覚えてる~?」というのはご勘弁くださいね。記憶がまぜこぜなこともありドキドキします。すみませんがお願いします。)卒業生の皆さんが訪ねてきてくれるのは教師冥利に尽きます。心よりお待ちしております。ありがとうございました。

柴田幸典