作り方 1
小さい時から、バイオリンを作ってみたいと思っていましたが、機会にめぐりあいませんでした。
しかし5年ぐらい前から材料が手に入り、手作りバイオリンに挑戦をすることができ、今までに十数台作る事が出来ました。
仕上がったバイオリンは、ニスの色、音色等、一台ずつ微妙に違い、手作りの難しさと、良さを感じています。
1 表板、裏板を削る。
表板(えぞ松)裏板(かえで)
カンナで均一に削る。 (あまり薄くならないように心がける。)
ペーパーで磨く(荒目より順番に細かくする。240番~1000番
バスバー(力木)を調整して接着する。
ラベルを作成して、裏板のf穴の下に貼り付ける。
表板と裏板を接着する。
ニカワ及びボンドを十分ぬってむらのないようにする。
またはみ出た分は、きれいに拭き取っていく。
パーフリングを埋め込み接着する。
パーフリングとは、表板のエッジに入っている縁取りのことです。(図6-1)
まず、各コーナーのパーフリングを入れて、溝の最終仕上げをする。
各コーナーで尖った状態で結合する。
前もって結合する状態でパーフリング同士で、あわせておく。
パーフリングを接着し、乾燥。丸のみで溝より突き出ている分をカットして、なだらかな窪みをつける。
サドル(下枕)を削って表板後部に接着する。
サドルを取り付けるために、表板にカットを入れる。
カットする部分は表板の最下部(図7-1)で、中心線より左右対象にした位置で、カットの深さと広さは、(図7-2)に示した通り。
サドルには前後があるので、よく確認した上で接着する
ネックの固定。
いよいよネック部を胴体に固定する。
ネックのナット部から胴体までは、130ミリメートルですので、5~6ミリメートルほど、胴体の接着部分に切り込みを入れる。
ネックが胴につく場所の立ち上がりを6ミリメートルとし、指板の先端の中央の表面上部から21ミリメートルの寸法をとる。
ネックが左右にふらないように、まっすぐになるように注意する。
(表板の中央の継ぎ目、指板、サドルの位置を相互確認することによって、確認することができる。)
サウンド、ポスト(魂柱)を削り立てる。
魂柱の正しい長さは、(図9-1)の矢印で示したfホールの頭の部分に、魂柱を差し込み、fホールより飛び出た部分をカットする。 (少しでも長いと金属的な音がでるので、細心の注意をする。)
魂柱は、(図9-2)の様に立てるので、裏板と表板 の曲線を持った面に合う様に、両端の面を合わす。
カットが終わったら、魂柱を立てる。(図9-3)に示した様に、魂柱立てに魂柱を刺し、fホールより挿入する。
魂柱を立てる正しい位置は(図9-4)の通りで、その位置の微調整は、反対のfホールより挿入して行う。
バイオリン全体をペーパーで磨く。
(荒目より順番に細かく、240番~1000番) 図10
指板のネックを4等分する。図11
ニス塗り。
2~3倍に薄めて、薄くぬる2~3回ぬる1回ごとに1~2日十分乾燥する、塗りむらがでないように細心の注意をすることが大切です。
1色づけできたバイオリンの表面にクリアーニスをぬる。
(少し薄め表面に膜をはるようにぬる2~3回。1回ごとに十分乾燥
させること。1~2日おく。)
尾止め、顎当て、ブリッジ(駒)合わせをして、絃を張り仕上げる。
駒は絃の張力によって表板に固定される。
そのため曲線をもった表板の面に合うように、駒の脚の面を削る。(図14-1)
また、指板に面している側の駒の面をヤスリで削り、上部の端が約1ミリメートルの厚さに削り、仕上げをサンドペーパーで磨く。(図14-2)
絃の高さは、指板の端のところで測って、E線で2.5~3ミリメートル
G線で4、5~5ミリメートルになるように削る。(図14-3)
最後に絃を止めるためにヤスリで刻み目をつける。(図14-4)
以上、今回は中国産の材料を使って挑戦しましたが、出来上がりに限界があることに気づきました。次回は、高度なバイオリン制作を目指し、西ドイツ「カール、ヘフナー社」のストラディバリウス、モデルに挑戦したいと考えています。
2002年12月10日