卒業生からのご案内

旭日双光章受章 中高3期 土居年樹

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「旭日双光章受章よもやま話」

?土居年樹(中高3期)

?今年2月下旬のこと、中小企業庁から「旭日双光章」内示の通知が届いた。大阪府商店街振興組合連合会理事長のお力添えもあって、申請をして頂いたことは知らされていたが、本音をいうと「無理かな…」という思いであった。通常、都道府県の代表でないと対象にならないのである。私は大阪府商店街振興組合連合会の副理事長という立場であるから、本来なら望み薄というところである。

そんな私が勲章を頂けたことに感謝をしながら、改めて自らを検証してみた。

本来、「旭日」というのは、民間人でありながら社会に貢献した者に与えられる章である。

私は、大阪の天満に生まれ、天神橋筋で育ち、「ちゃわん屋」の親父の急死により後を継いだ「仕方なし商人」であった。結婚して子供の成長と共にPTAも経験し社会に目を転じて見えてきたのが、「商店街の衰退風景」であった。大企業の大型商業施設だけで日本の社会は安全・安心か? 商いの原点は「お金と品物の交換業」ではないのである。「人と人との触れ合い・絆」を通じて、「お互いが分かち合う」という精神であり、それを培ってきたのが商店街であり、これを支えているのが街あきんどであった。「日本の社会から街が消える。人が消える。家族が消える。こんな日本になるのは耐えられない。」

昭和50年、商店街の組織に入った私は、しゃにむに「街の再生」にひた走った。以来40年、数々の事業、催事を考え企画し実践してきた。

そして今、天神橋筋は往年の賑わいを取り戻してきた。そこには私と共に努力してくれた仲間がいたことは言うまでもない。なかでも、その集大成は桂文枝師匠とタッグを組んで成し遂げた上方落語の定席小屋「天満天神繁昌亭」の完成がある。小商いの「街あきんど」の執念が多くの人々の共感を呼んだのであろう。

「街は文化だ!!」 「夢は持ち続けるとほんまもんになる!!」

この信念を曲げることなく人生の終盤を迎えたいと思っている。