<岩渕先生は本記事掲載後、2014年に退職されています。>
卒業生の皆さん、お元気ですか。94期生以降たくさんの男子に剣道を教えてきました。冷たい風が容赦なく吹き抜けた道場で、裸足でやりぬいた寒稽古はとても思い出深い行事だったと思います。辛かったと思いますが、終わった後の「芋粥」は特別なご馳走に感じられたことでしょう。その時はわざわざ寒い中(暑い中)、なぜこんなことをしなければと思っていた人がいたかも知れませんが、一生懸命取り組んだ行事を今思えば懐かしく思えるのではないでしょうか。また大人になって、この厳しい経験が色んなところで生かされているのではないでしょうか。
一方で、96、98、100、102、106、108、109、113、115、119、121、123、125期生を担任として、また副担任として受け持ってきました。たくさんの卒業生と触れあう機会がありました。その時はあっという間に時間が過ぎ、楽しむというよりは毎日があわただしい日々だったように思います。
勤めだしたころの校舎は現在、全て新しい校舎に建て替わりました。しかし本校の教育には時代が変わっても、本校に流れている厳しい教育方針は今なお健在です。
その厳しさを求めて、親として帰ってきてくれる卒業生がたくさんあります。心から感謝する次第です。特に5年前には、初めて親子2代にわたって担任することもできました。卒業した子が親として本校に帰ってきてくれ、しかも担任をさせてもらえることに嬉しさと感謝の気持ちがいっぱいになる出来事でした。
最近は、竹刀を握る回数より、PTA文化教室の「お父さんのゴルフ教室」でゴルフクラブを握る回数のほうが増えてきました。また、20年前からやり出した天体写真に凝っています。この5月には4年生の林間学舎で、127期生の子どもたちと一緒に土星や上弦の月を望遠鏡で見ることができました。やっと念願が叶いました。
今年で勤続30年目を迎えました。その間、理科を中心に学校内外の場で研究を進めてきました。大阪府私小連理科部会の幹事を始め、西日本私立小学校連合会の理科部代表委員、日本私立小学校連合会理科部代表委員を務めさせていただくこともできました。平成23年には大阪府私学優秀教員表彰、平成24年には文部科学大臣優秀教員表彰を頂くことができました。今後も子どもたちの視線・立場を忘れずに基本に立ち返って、自分自身を磨いていこうと考えています。