大手前学舎(過去掲載分) , 恩師のいま(過去掲載分)

卒業生の皆様へ 追手門学院大手前中・高等学校 数学科  西浦 誠

私は、38期生の皆様を中学1年から高校3年まで、45期生の皆様を中学1年から高校3年まで、49期生の皆様を中学3年から高校3年まで担任させて頂きました。そして現在は、55期生の担任を中学1年から高校2年まで務めております。大学卒業後すぐに追手門学院大手前中・高等学校に奉職しましたので、今年で24年目を迎えることになりますが、卒業生の皆様とともに過ごした一日々々の学院生活が、私の経験値を高めてきたことは、紛れることのない事実です。

そして今、私はこの経験値を頼りに、現役追中生・追高生を指導し、後輩教員達にアドバイスを与えているのです。私が今日あるのも、少なからず卒業生の皆様のおかげであると、恒々心より感謝致しております。この場を借りて、衷心厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

さて私は、こども達に今も『人間を磨こう!』と声をかけています。また、絶えず『勉強は誰のためにしているんだ?』と問いかけています。そして相変わらず、注意を促す時は「おぉ~い」と低く長く発声しています。大声を出すのは品がありませんので、言葉を長く伸ばすことによって注意を引こうとしているのです。まぁ、こちらの方もそれほど品がいいとは言えませんね。また、相変わらずラッキーナンバーは「24」で、ラッキーカラーは「グリーン」です。「ナンバーコール」、「フルーツバスケット」、「震源地は誰だ!」や「集合ゲーム」などの古典的レクリエーションも、いまだにクラスのこども達とともに楽しんでおります。幾つになっても、四半世紀前の大学生キャンプリーダー生活の匂いが消えることはない様です。そして、もちろん今でも、高等学校卒業式の日には、美しい涙を忘れずに卒業生を見送ることにしています。

逆に、変化した部分についても、少しお話をしておきましょう。現在私は、インターナショナルコースいわゆる国際科の担任をしています。中学1年では夏3週間シンガポールを、中学2年では夏4週間カナダを、中学3年では夏4週間イギリスを、55期生のこども達と一緒に旅しました。そして、高校1年の9月から高校2年の6月までの10ヶ月間、彼らはイギリス・カナダ・アメリカ・ドイツの各国に留学したのです。

彼らの留学期間中、私は9月・10月・2月・3月・5月の計5回、英国提携校を訪れ、留学生の授業を見学する機会を得ました。「英語で夢を見た!」「英単語の方が覚えやすい!」「英語の説明の方がわかりやすい!」「日本語に飢えている!」「帰国すると英語に飢えるのでは?」という発言に象徴される様に、これまでとは少しタイプの違ったこども達が育ちつつあります。そして私はと言えば、そのまだ青い果実の香りを感じながら、静かにほくそ笑んでいるのです。7月には、帰国した彼らを呼び集めて、いよいよ留学帰国クラスが再スタートします。これまでに負けず劣らず、否さらにパワーアップをして、魂を注ぎ込みたいと考えております。追手門学院大手前中・高等学校のこども達のために。

カナダ・バンフ国立公園にて  大自然の中では引率教員も自然体です!

カナダ・バンフ国立公園にて  大自然の中では引率教員も自然体です!

2005年6月24日