卒業生のみなさん、お元気ですか?お久しぶりです。
「ふりかえれば」
思えば昭和の終わりの年からの勤務を始めましたので、平成の年数分本校に在職したこととなります。最初の年が本校100周年記念間近という頃で、この時期、恐ろしく多忙だったことを覚えています。右も左もわからないまま、午前零時を越す仕事が続きました。先輩の様子を見ていると、「生き馬の目をぬく。」とはこのことかという仕事の速さと凄まじい体力に驚かされました。その熱心な仕事ぶりに感動し、また自分で勤まるか不安を抱いていたものです。
さて、最初は教育大学での専攻が図工科であったため、図工科専任として指導をしていましたが、すぐに本校4クラス制の時代が訪れ、それに伴い担任業務にあたるようになりました。思えば勤務年数のほぼ半分は高学年担当であり、副担任や担任として国語の指導を行ってきました。高学年では、3・4階の研究室にこもることが多く、ここしばらくは、低・中学年の児童や保護者のみなさんからはあまりなじみがない教員かもしれません。
これまでに担当した学年は、103期・105期・106期・110期・111期・113期、それに本学年より担任をしている117期です。男子のみなさんとは、剣道の指導で必ず顔を会わしています。ただ5・6年生の週1回の指導ですので、お互いの人となりがわかった頃に卒業してしまうという感じです。これまでの間私なりに熱心に指導してきたつもりですが、児童や保護者のみなさんに色々とご無理を申し上げたことをこの場をお借りしてお詫び申し上げます。
本校の教員は、それぞれが研究教科を持っています。勤務以来ほぼ私は、国語科・体育科・図工科が研究教科です。国語科でも年齢では中堅の位置づけになりましたので、「がんばらないと。」と気持ちを新たにしております。先ほどもふれましたが、体育科では、クラスの体育指導だけではなく、岩渕先生とともに男子剣道の指導も行っています。ちなみに岩渕先生は大学剣道部の先輩にあたります。図工科では、図工科主任として学校外の活動も行っています。
「父親と」
現在も私の父、竹男は本校に図工科講師として勤務しています。職場は同じでも仕事の環境が全然違うためほとんど学校では顔を会わすことはないですが、父の勤務日には一緒に車で登校しています。同じ職場に勤務することは、照れくさいところもあるのですが、本当にありがたいです。父も高齢なので、勤務が後何年続くのかわかりませんが、現在を大事に過ごしていきたいです。
「絵を描く」
趣味は、他人より多いほうでしょう。結局の所油絵を描くことが自分に一番しっくり合うのだと思います。ここしばらく追手門誌の表紙絵も描いていますが、これはコンピュータで書いています。一時このようにデジタルで描くことにはまったのですが、最近では、やはりキャンパスに絵の具で手を汚しながら描くのが良いと思うようになりました。本来は油絵の絵の具で描くのが良いと思うのですが、アクリル絵の具で描くことがほとんどです。アクリルは水彩のような扱いで乾燥も速く油絵のようなタッチが再現できるのですが、色の調子を合わせるのが難しいです。油絵には、褐色の油が混ぜられていて、この色味がどの色とも調和させる役目を果たすのですが、アクリルは無色透明の水を媒介としているため、色調のずれがはっきりと画面にでてしまいます。アクリルは鮮やかな色調が長所で、あまり混色をせず画面を完成させる人が多いと思いますが、自分の場合積極的に混色するようにしています。当然彩度が下がってしまうのですが、アクリルの短所である色彩の軽々しさも減少し、しっかり使えるようになりました。
ここしばらく何をテーマに描けばよいかと題材探しに苦しんでいたのですが、公募展などで多くの作品を鑑賞していると「何を描くか。」ではなく、「どう描くか。」が問題だと感じるようになりました。外国のように遠いところでなく、何度も足を運べる身近な所を探すようにしています。
「私の転機」
2年前に愛(めぐむ)と職場結婚をしたのですが、結婚は私にとって人生の大きな転機でした。「結婚は人生の墓場」だという人がいますが、それはモテモテの人の場合であり、結婚は私にとって多いにプラスになりました。妻は元来明るい性格なので家の中でいつも笑いが絶えません。
続いての天気は、息子隼一朗(じゅんいちろう)の誕生です。(誰でも親ばかになりますね。)現在9ヶ月でいたづらざかりです。やけにおとなしいなと後ろ姿を見ていると、箱の中よりテッシュをばしばし引き出していたり、スリッパをくわえていたりしています。私が絵を描いていたりして相手をしないと怒ります。(現に今もこの原稿書きを邪魔している。)最近は数秒ほどですが両手を離して立つようになりました。
その影響もあって、自動車に関して本来スポーツカー寄りであった自分が最近ではミニバンの試乗に行ったりしています。そのうち大きな四角い車をみかけたら運転しているのはきっと私でしょう。
結婚をし、子どもが出来たことで、子を思う親の思いがはっきりとわかるようになりました。
「走ること」
スポーツでは健康管理の為にジョギングをすることが多いです。一時は勤務した頃と比較すると10キロ近くは体重が増加していました。フィットネスにはげみ、リバウンドがあったこと、給食が高カロリーだということ、そして高学年担当が続いたことが原因と思われます。昔の卒業生に出会うと、こちらがあまりに様変わりしたので大変驚かれるほどでした。自分の健康管理の不足を反省し、昨年は体重を落とすことに専念しました。現在ピーク時に比べれば、7キロほど体重が減少したので一安心しています。
「最後に」
最後に自分として最近心掛けていることは、時間をできるだけ無駄にしないということです。久々の中学年なので、教材研究にはげむ!新しい子どもたちと早く仲良くなりたい!春の展覧会が近い!隼一朗がバブバブ言う!夏までにラジコンの複葉機を飛ばしたい!やりたいことがたくさんあります。
なによりこの春卒業した113期のみなさんに若さと時間を浪費するなと言葉を贈った手前、あれこれ積極的に生きていきたいのです。
体育祭や文化祭では気軽に声をおかけくださいね。みなさんと再びお会いするのを心より楽しみにしています。
2002年7月11日