大手前学舎(過去掲載分) , 恩師のいま(過去掲載分)

改革へのtrial 大手前中・高 国際教育部長 英語科 大井 洋子

大手前中・高 国際教育部長 英語科 大井 洋子

大手前中・高 国際教育部長 英語科 大井 洋子

本校の教育改革にどのような取り組みをおこなっているかを国際教育部を統括し、英語を担当する立場からふれたいと思います。本校に奉職以来、描いていた教育構想であるグローバルな教育レベルに適応する生徒を育てる体制づくりが改革において明確に具現化できるようになり、本校の新しい教育構想のもとで、国際教育プログラムの推進に力を注いでいます。

「英語はtoolであり、それも国際的に有効なtoolである。」ことが私の英語観であり、その視点で生徒たちに国際的なレベルで通用する力を得てもらい、将来国際的な場で活躍する人材を育成するこが、国際教育部ならびに英語を担当する私の指導目標です。

現在高校で留学する生徒は数名程度ですが、留学先はイギリス、アメリカ、カナダ、ニュージーランド数カ国におよび、全員すばらしい成果を留学先でまた帰国後得ています。(イギリス提携校留学の西川君 Math Challengeで受賞、カナダ留学 荒川君 カナダ空手選手権優勝、ニュージーランドへの留学生 酒井君 Best Student 賞受賞など)ともかく留学した生徒たちの伸びは実感でき、係りとしてその生徒たちと交信することは喜びです。

留学に関しては微力ながら、中高一貫のメリットを活かし、早期から保護者の方と生徒両者のニーズに沿うような指導を提供できているものと自負しています。2004年度からはInternational Courseの生徒たちは全員イギリスへ留学していくことになります。吉田研作先生(上智大教授)は英語教育に関する連載の、「英語を学ぶ心構え–目標をはっきり持とう」において次の点を指摘されています。

外国語学習にとって最も大切なのは、実はその言葉が好きかどうかではなく、その言葉を使って何がしたいか、という目的意識がはっきりしているかどうかなのである。つまり、この言葉を別の言葉で言うなら、明確な「動機」が大切だ。単なる一般的な「動機」だけではだめで、「明確な」動機が大切だということを忘れてはならない。

「明確な」動機には、必ず「明確」で「具体的な」目標が含まれている。ただ「留学したい」というだけでなく、何を勉強するために、いつ、どこへ、という具体的な最終目標と同時に、そのためにどのような具体的な勉強のスケジュールを立てるか、という最終目標にいたるまでのより具体的な「段階的」目標が必要なのである。

本校が改革に踏み出した時期に吉田先生とは府高英研で大阪に来ていただき、講演を拝聴したあとでお話をさせていただきました。その折、本校の改革の理念と氏の理念が合致することに共感をもったことを覚えています。‘beyond the fish-bowl’ という理念です。

International Course の生徒たちはまず中1でシンガポール、アジア圏への研修をして

見聞を深め、2年ではカナダのInternational Campでさまざまな国の生徒たちとの交流を体験、中3ではイギリスへのサマースクールと、その貴重な体験が留学への基礎となることと思います。

本校では近年、アジアやヨーロッパ諸国との交流、受け入れも保護者の方々のお力添えを得て実施しています。昨年度はベトナムの舞踊団(OSAKA IN THE WORLD ) ならびに台湾の新民高級中学校の生徒の受入を実施しました。今年度は2学期にはカナダの留学生(Rotary Exchange Program,1年間)とブルガリア舞踊団(OSAKA IN THE WORLD)ならびにオーストラリア姉妹校の受入予定しています。身近な交流の積み重ねが本校の基盤を固めていると感じられます。

2002年11月19日